ホーム  >  特集  >  宮島で、漕ぐ遊びとキャンプをリンクする旅。(広島県・宮島)

特集

宮島で、漕ぐ遊びとキャンプをリンクする旅。(広島県・宮島)

タイトル

宮島で、漕ぐ遊びとキャンプをリンクする旅。

ー 広島県・宮島 ー

mont-bell × パドルスポーツ・ライフスタイル・マガジン 漕遊(SOUYU)

漕遊 No.3(2018年6月15日発行 /  発行元:MIX Publishing)

line
 

 

広島 宮島 マップ

日本三景のひとつ、宮島。

広島県の宮島、嚴島神社と聞いて何を思い浮かべるか、日本三景のひとつ、鹿、もみじ饅頭・・・一般の方々ならそんなところだろうか。我々、漕遊編集部なら、趣味と実益を兼ねた長年の勘、また、情報をインターネットや知人から収集すると、宮島まで本島サイドからシーカヤックで漕げるとか、最近では嚴島神社をSUPで海から見ることができる・・・とかになる。実は、宮島にキャンプ場があることをご存知だろうか?

これは一般的にあまり知られていない。何度も宮島に行っているが漕遊編集長の私も知らなかった。海外のバックパッカーの人たちがすごいのは、こういったところ(キャンプ場)をインターネットやSNSで探し出し、テントを張り異国の地でアウトドアライフを楽しんでいるところだ(単にホテルなどに宿泊しないで実費を減らしているだけなのかもしれないが)。海外のツーリストのSNSを駆使した情報収集やコミュニケーションには感服する。

そして、これが今風な旅の姿に他ならない。

宮島
 

シーカヤックを漕いで海峡を渡る。


宮島は日本三景として知られ、古来から神の島として崇められてきた。昨年の号で、やはり日本三景のひとつである天橋立を紹介しているので、来年、再来年あたりの号で仙台の松島をやれば、日本三景を漕遊で達成できる・・・余談だが。

この宮島は、広島湾の西部廿日市市に属し、周囲は約三十キロメートルで楕円形、市街は広島市に面した北西部のみで、中央には霊峰弥山など五百メートル級の急峻な山が連なり原生林が広がっている島だ。この、自然と調和し、平安期の優雅な佇まいを持つ嚴島神社は、一九九六年に世界遺産に登録されている。瀬戸内海の島を背にし、その入江の海の中に立つ木造建物である嚴島神社の象徴でもある朱塗りの大鳥居と社殿を海側から見る。それは、本島から島を繋ぐフェリーや観光ボートからも見える景色だが、漕ぐ遊びをしている人間なら、カヤックやSUPを漕いで行き見てみたいという衝動にかられるのは当然のことだ。

 

宮島の対岸、廿日市市でカヤックショップ「パドルパーク(http://www.paddlepark.com)」を長年営み、このフィールドを熟知する久保田さんが主催するツアー(廿日市市~宮島)に参加させてもらい、案内をしてもらった。
まず、宮島の嚴島神社の鳥居の近くを漕ぐ上で気をつけることは、満潮時に嚴島神社に到着するように予定を組むことだ。潮見表(最近ではアプリもあり)で干満を確認し、その日のフィールドコンディションを考慮して行程を組むことが大事になる。基本的には久保田さんが主催するようなツアーに参加するのがベターだと思う。
今回、廿日市市~宮島を漕ぐ相棒は、アルフェック・エルズミア480。折りたたんでクルマに収納しやすい船体ながら、リジットタイプのカヤックに引けを取らない長距離を漕ぎやすいデザインで、旅のお供にはもってこいのカヤックだ。

【PickUp!】

アルフェック・エルズミア480

その見た目から分かる通り、際立った高速型のフレーム構造と、風の影響を受けにくいフラットデッキ・デザインで、リジッド艇にも並ぶほどのスピード性能を持つ。大量の荷物でも出し入れしやすい大型のバウハッチも装備されている。コンパクトに分解・折り畳んで、専用のキャリングパックに入るので、持ち運び、収納にも優れている。
 

【総重量】18kg 【サイズ】全長480×最大幅58cm 【最大積載量】150kg

モンベル オンラインショップで「フォールディング・カヤック」を見る »

line

コンディションは比較的良好!

 

この日のコンディションは比較的良好で、対岸の嚴島神社を目指し、廿日市(本土側)から宮島へと海峡である大野瀬戸を岸に沿って漕ぎはじめた。廿日市市~宮島は片道約三キロで、基本的な行程時間は約一時間。この海峡は干満差がとても大きく、海流の向きも速さもよく変わる。岸側と瀬戸の中央部で潮流の向きが異なるときもあるので注意が必要だ。もちろん行き来する他の船舶にも常に細心の注意することを忘れてはならない。この辺りは、潮流の早い環境を活用した牡蠣の養殖も盛ん。漕いでいると牡蠣養殖の筏が目に入り・・・「今夜は牡蠣を食べたいな」とふと思う。

 

洞穴があり松が茂っている鼻繰り島という小島に到着し、ここで小休止をしてから、宮島へ向けて舵を取る。進行方向には、廿日市市~宮島間を行き来するフェリーが見える。「JR西日本宮島フェリー」、「宮島松大汽船」という二つのフェリーがあり、それぞれ十分おきに発着している。その他、「瀬戸内シーライン(広島・元宇品~宮島)」、「アクアネット広島(ひろしま世界遺産航路などの複数の航路)」も定期的に発着していることから、フェリーが行き来しているライン上をカヤックで横切るのは厳禁だ。洋上にフェリー航路を表すブイが浮いているので見逃さないように! 前述もしたが、基本的には久保田さんのようなガイドが同行するツアーに参加することをオススメする。友人同士で行く場合は、コースを熟知した人を必ず入れ、無理の無い工程をしっかり組んで行うこと。

 

出発から一時間ほどで大鳥居の正面に到着。この日の天候は快晴、タイミング良く潮も満ちてきたので、大鳥居のすぐ近くまでカヤックで行くことができた。この木造の両部鳥居(四脚鳥居)は現在で八代目。海中に埋められているのではなく、大鳥居自身の重さで海中の上に立っている(・・・らしい。詳しくは現地に行って自身で確認を!)。高さ約十六メートル、棟の長さ約二十四メートル、主柱まわり約九・九メートル、総重量約六十トンの大鳥居の上部部分(島木と笠木)には頭大の石が敷き詰められ、強風にも耐えられる工夫がされているそう。事前に入手した情報によると、大鳥居をくぐることは作法上よろしくないということなので、大鳥居越しに嚴島神社の真紅の社殿を見ることにした。

厳島神社

日本史上でもここは、何度も歴史のステージになった場所だ。平安時代末期、当時の神主と安芸守・平清盛の結びつきを契機に平家一族から崇敬を受けた。仁安三年(一一六八年)頃、平清盛が社殿を造営し現在と同程度になる大規模な社殿が整えられたという。平家一門の隆盛とともに嚴島神社も栄え、平家の氏神となった。
平家滅亡後も源氏をはじめ、時の権力者の崇敬を受けるが、建永二年(一二〇七年)と貞応二年(一二二三年)の二度の火災で全焼失している。現在残る社殿は仁治年間(一二〇四年~一二四三年)以降に造営されたものである。

嚴島神社の右手に見える西松原の砂洲に上陸し休憩を取る。 上陸できる場所も事前に情報を得ておこう。干満で上陸が可能か不可能か、根本的に上陸禁止の場所もあるので注意しよう。西松原の中には平清盛を祀る神社があり、その脇の休憩処・清盛茶屋(http://www.kiyomori-chaya.shop)で甘味を楽しみながら、生まれも育ちも宮島だというこのお店の女将さんと歓談するのも一考だ。この女将さんの生家はかつて渡舟を営んでいたらしい。その血筋からか、息子さんはレンタルカヤックやレンタルSUPのサービスを島内で営んでいるので、漕ぐ格好だけ持参すればギアをレンタルして漕ぐこともできる。島に宿泊してじっくり観光して、パドルスポーツも堪能したい人は、問い合わせて見てはいかがだろうか。

厳島神社付近
清盛茶屋清盛茶屋

宮島を左に見ながら漕ぎ進んで行き、水族館を過ぎたあたりから人工物が減少する。ここから島の南部にかけては道路も無く、海からでしか行けないような浜、フィールドが広がっている。このあたりに生息しているというミサゴ(英名オスプレイ~急降下して餌をとり魚鷹(うおたか)の異名がある)の姿を見ることもできる。帰路は、来るときとは逆のルートをたどり出発した地点へと向かう。ちなみに、今回使用したアルフェック・エルズミア480の様な折りたたみカヤックなら、帰りはフェリーで帰る・・・なんてことも可能だ。

岩

 

宮島周辺で漕ぐときの注意点

 

クルーザー

船の往来路では横切るのは厳禁

本土側から宮島間を行き来しているフェリーの航路内は進入禁止。どのフィールドでも大型船が定期的に行き来しているところは漕がないのが基本。出艇場所、上陸する場所、漕いでよい場所の確認は事前に必ずすること! ネットの情報は大事だが、鵜呑みにしすぎるのも良くない。その場所のことを熟知する人とのコミュニケーションが大切だ。

 
   

鳥居

鳥居

漕ぐ前に潮の干満情報を必ずチェック

カヤックで大鳥居まで行くなら満ちているときが良い。潮位が100cm以下の場合は一度上陸し、社殿側から大鳥居の下まで歩くことが可能。また、大鳥居が海に浮かんでいる姿は、潮位が250cm以上の場合に見る事ができる。
潮位に関しては宮島観光協会が更新している「宮島潮見表」が参考になるのでチェックしよう(http://www.miyajima.or.jp)。

 

 

 
line
 

フェリーで宮島へ渡り、観光とキャンプをリンク。

キャンプ

カーフェリーを使って自分のクルマごと宮島に渡る、そしてキャンプをする・・・というパターンを紹介しよう。

宮島へ渡るカーフェリーは、クルマから降りなくてもいいなど手続きは実に簡単で、約一〇分ほどで到着する。港の近くに駐車場があり、嚴島神社を散策したり、食事、日帰り入浴ができる施設に行くときなどはここを利用すると便利だ(ただし、台数に限りがあるので、運が良ければだが)。

キャンプ場は島の北側にあり、港からクルマで一〇分くらい。この場所は包が浦キャンプ場と言い「宮島包ヶ浦自然公園」として整備され、キャンプ場だけでなくスポーツ施設が整っている。ビーチに面した広場はカヤックやSUPの準備や片付けもし易い十分な広さがある。駐車場はあるが、キャンプエリアまでクルマを入れることができないので、荷物の持ち運び、撤収を考えてなるべく近い所にテントやタープを設営するのがポイントだ(早い者勝ちですけど)。普段からあまり混んでいる感じではなく、ハッキリ言って穴場で、SNSなどで情報を得た海外からのバックパッカーの利用が多いようで、外国の人と国際交流をしながらキャンプを楽しめるらしい。もしかしたら、海外の穴場(漕いで遊べ、キャンプができる場所)情報を得ることができるかもしれない。

 
鹿キャンプ場
キャンプ場テント場ランタン
 

鹿、野生動物について

 
 

野生の鹿

ボックス

宮島には多くの鹿が生息している。その他にも猪やたぬき、猿、野良猫など、キャンプ場近くで人に慣れた野生動物が多く、器用にフタを開けたり、隙を見つけては食料を求めてテントまで近寄ってくる。
食料はもちろん、ゴミも、蓋の閉まるボックスやクーラーボックスに入れること。しっかりしたロックがない場合は、開けられないように紐で結ぶなど工夫をすることが必要だ。
履き物もきちんとしまっておこう(実際に撮影時にサンダルを持って行かれる事態に)。

 
line

目の前のビーチからカヤック・SUPを漕ぎ出す!

 
SUP

ここは、キャンプ場のすぐ前のビーチからカヤックやSUPで漕ぎ出し、クルージングや釣りが楽しめる絶好の場所だ。寝床、メインのベースキャンプとしてテントをサイトに張り、ビーチに漕ぐ遊びの休憩場所、日よけ用としてタープを張る・・・そんな風に、贅沢にスペースを使えるのもここの大きなポイントだ。このキャンプ場をベースに、日が落ちたらライトアップされている嚴島神社や大鳥居を見に行くのをお忘れなく! 最近流行り の「インスタ映え」した写真が撮れると思います(笑)。
 

浜辺ビーチキャンプ場
夜の厳島神社 鳥居
 

【PickUp!】

アクアグライド・ブラックフットアングラー ISUP

SCOTTYマウントプレートが6個標準装備され、抜群の拡張性を誇るインフレータブル・フィッシングSUP。艇幅は90cmと安定感があり、立ったままストレスなくキャスティングできる(コンディションによる)。艇前方にはメジャーが施されており、釣った魚のサイズをすぐに測れる。前後に大きなバンジーコードが装備されているので荷物の固定に便利。Dリングも装備されているのでクーラーボックスなど大きな荷物の固定も可能だ。
 

アクアグライド・ブラックフットアングラー ISUPロッドホルダー

【総重量】15.42kg (本体のみ)【サイズ】全長:335cm 最大幅:90cm 【最大積載量】204kg(1人乗り)
写真のロッドホルダーは別売りです。 モンベル オンラインショップでロッドホルダーを見る>>

モンベル オンラインショップはこちら »

line

【PickUp!】

漕遊オススメのベースキャンプ・アイテム

 

バイオライト・キャンプストーブ2

バイオライト・キャンプストーブ2

バイオライト・キャンプストーブ2

焚き火で発生した熱を電気に変換してファンをまわし、燃焼効率を上げるキャンプストーブ2は、小枝などの身近な自然燃料で安定した焚き火や調理が楽しめるアイテム。

オプションのグリルやケトルポットを使えば、焼く・沸かす・煮込むなど調理の幅が広がる。バイオライトではその他にもキャンプサイトを明るく照らすライトやソーラーパネルなど、自然のエネルギーを活かしたユニークで機能的なアイテムを展開している。
 

モンベル オンラインショップはこちら »

 
 

レラドーム4型

レラドーム 4型

ペグ、張り綱、スタッフバッグを含む総重量が約3キロと軽量コンパクト。通気性に優れたメッシュ地を本体全面に採用した3シーズン対応のテント。
設営も撤収も簡単なのでキャンプビギナーにもオススメだ。

 

モンベル オンラインショップはこちら »

 
 

ミニタープHX

ミニタープHX

空間に余裕があり、風に対しても比較的強い六角形の小型タープ。収納時は専用の袋にコンパクトにパッキングできるので、カヤックやSUPでのツアーで大活躍する。

 

モンベル オンラインショップはこちら »

 
line

「漕遊」について
 

souyu logo

パドルスポーツ・アウトドア・ライフスタイル・マガジン「漕遊」

2016年に創刊した「漕ぐ遊びとキャンプをリンクさせてアウトドアライフを楽しむ」をコンセプトとして年刊誌。

アウトドアで漕ぐスポーツやキャンプをするのが好きな読者の皆さんが、遊びに出かけた1日、ないしは数日間を楽しむテーマどのものです。編集部も大好きなテーマで、取材という仕事にすり替えて誰よりもそれを楽しんで作られている。

 

このページのトップへ